新緑の八ヶ岳山麓

’08新緑の八ヶ岳山麓点描　

イバイチの
旅のつれづれ

新緑の八ヶ岳山麓
　（平成２０年５月１８日～５月２０日）
第１日
　山梨県立美術館―山梨県立
　　　　　　　　　　フラワーセンター
第２日　みずかき山自然公園―
　　　　　　　　清里大滝―吐竜の滝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　第３日　富士見坂　　（自家用車で）
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　平成２０年（2008）５月下旬に甲府からみずかき山公園、清里への旅をした。甲信方面には平成元年（1989）に貸別荘を作って以来毎年のように出掛けているが、５月に訪れるのは平成１７年に鬼無里、戸隠方面への旅以来３年振りである。首都高速は都心環状線を通らず、その頃新設された小菅ＪＣＴから板橋ＪＣＴを経て西新宿ＪＣＴに出る中央環状線を利用し、三郷から新宿まで１時間近くかかっていたのが約３０分に短縮できた。

　まず中央道を甲府昭和ＩＣで降り山梨県立美術館に行く。開館３０周年記念として｢田園賛歌｣という特別展をやっていた。この美術館は[種をまく人]などのミレーの絵画を多数収蔵しているので世界的に知られており、中央高速道で行く時には特別展の情報を調べて立ち寄ることが多い。

　
　次に北杜市にある山梨県立フラワーセンターに行く。ここは「ハイジの村」という愛称が付けられていて、チューリップを始め季節ごとの花が咲いている。ここのお薦めは４３０種類２３００本あるというバラで、２３０メートルある日本一長いバラの回廊があるのだが、５月下旬はまだ咲き始めで、見頃は６月中・下旬の様だ。(写真はセンター内の乗り物、白山フウロ、バラ新種３点、バラの回廊)

　八ヶ岳山麓の別荘に泊まり、翌日同じ北杜市にある増富ラジウム鉱泉を経て「みずがき山自然公園」に行った。北杜市須玉から増富ラジウム鉱泉に通じる道は増富ラジウムラインと呼ばれ、途中みずがき湖と呼ばれる塩川ダム湖がある。みずがき湖畔にはあまり似つかわしくない彫像も置かれている。(写真は別荘、みずがき湖、湖畔の彫像）

　この先にある通仙峡は紅葉の名所として知られているが新緑も素晴らしい。しかし車は通行禁止で徒歩でしか行けないようになっているため、そこは割愛して上流にある本谷川の渓流に沿った道路を遡る。この道の両側も新緑も素晴らしく、目を洗われる様である。（写真は本谷川の新緑)

　やがて道はみずがき山リーゼンヒュッテという山の宿泊施設を経て金山平という所に着く。ここには明治時代から営業している有井館という古い宿がある。
　小暮理太郎、田部重治といった明治から大正時代にかけて日本アルプスや奥秩父の山の魅力を紹介したパイオニアがよく利用した宿として知られている。殊に小暮理太郎はよく奥秩父の山を歩き、日本山岳史上秩父時代という時代を築いた人である。そのため昭和２６年（1951）にこの金山平にレリーフが建立され毎年秋には「小暮祭」が行われるほどで、奥秩父の父といわれるほどの人物だった。金山平からは金峰山がよく見える。(写真は金山平からの金峰山２景と満開の三つ葉ツツジ）

　更に奥に進むと岩石で覆われた瑞牆（みずがき）山が見えてくる。この山は奥秩父連山の最西端に位置し、その特異な山容で知られ登山者に人気がある。小生も若い頃２回と６２才になった平成７年に登ったことがある。

　やがて道幅が広くなりみずがき山自然公園に着く。
ここは山梨県と旧須玉町が平成１３年（2001）５月に開催された第５２回全国植樹祭の会場跡地を「瑞牆の森」と命名し、自然体験を得る空間として整備したものということで、瑞牆（みずがき）山（2230m）をバックにした広い空間を占めている。広場に降り立つと、新緑に覆われた林の先に圧倒的な存在感を持って瑞牆（みずがき）山が迫って来る。この時は訪れる人は少なかったが、紅葉の頃は広い駐車場に入りきれないほど訪れる人が多く混み合うようになったそうである。(写真はみずがき山自然公園４景)

　みずがき山自然公園から更に新緑の林を縫って林道は続き、長野県信濃川上から北杜市須玉を結ぶ県道の黒森集落に出る。この付近からの瑞牆山は前山に遮られることなくその大きな岩だらけの山容が眺められる。この県道２３号線を南下し、みずがき湖の西沿岸を通り増富ラジウムラインを須玉に戻った。(写真は黒森付近の小川と瑞牆山）

　須玉から国道１４１号の東側にある県道６０６号を北上すると清里大門川を流れ落ちる大滝がある。この滝はあまり知られていないが一ノ滝、二ノ滝とあり、奥にある一ノ滝は近くに行けないが、二ノ滝は正面から１６メートルの高さのある滝で、間近にを見ることが出来る。滝を過ぎると間もなく国道１４１号と合流し清里の市街地に入る。(写真は一ノ滝遠望、二ノ滝２景）

　清里では清泉寮に立ち寄った。入口付近には三つ葉ツツジやヤマザクラが花を付けていた。一休みの後、今回の目的の一つである吐竜（どりゅう）の滝を見に行った。この滝は清里に近い川俣川渓谷がＪＲ小海線の鉄橋と交差する辺りにあり、清里高原道路から少し脇道に入った所に小さい駐車場がある。そこから紅葉で知られた東沢大橋まで川俣川東沢渓谷沿いの遊歩道が整備されトレッキングコースになっているが、そのコースの始めの頃、駐車場から徒歩で１５分ほどの所にこの滝がある。(写真は清泉寮の三つ葉ツツジとヤマザクラ、吐竜（どりゅう）の滝遠景)

　川俣川渓谷の滝の中で最も美しい滝といわれているが、川俣川本流の滝では無く、伏流水が落差10m、幅15mの範囲に岩の間から絹糸のように何十本も流れ落ちて本流に注いでいる優雅な滝である。以前ＮＨＫ大河ドラマ「利家とまつ」のオープニングタイトルにこの滝が使われたということである。このコースは新緑ばかりでなく秋の紅葉の頃の景観もお勧めである。(写真はいろいろな表情の吐竜の滝）

　翌朝富士見坂からの素晴らしい富士を眺める。富士の向かって右側には鳳凰三山から甲斐駒、北岳の南アルプス北部の山並みが、また向かって左側には奥秩父の山々が見渡せるのだが、今回は鳳凰三山以外は雲の中で、雪の甲斐駒の優雅な山容は見られなかった。(写真は富士山と鳳凰三山２景，中央のオベリスクは鳳凰三山の中の地蔵ヶ岳にある）