桜の弘前と五所川原 (3)  弘前城公園(その2)   イバイチの
旅のつれづれ


弘前城公園(2)

 「津軽藩ねぷた村」を出ると午後7時のライトアップの時間になっていた。早速西濠に行き春陽橋から夕暮れのさくらを撮る。まだボートに乗っている人もいた。雪洞(ぼんぼり)がさくらを明るく照らし、水面に反射してまだ青く残る空の色も映し出して、昼間と違った世界を演出している。
 西濠から北の郭と本丸を結ぶ鷹丘橋に向かった。もう日はすっかり暮れてライトに照らし出された橋とさくらが浮かび上がる。橋の奥の本丸側にある濃いピンクは八重紅枝垂れである。本丸には八重紅枝垂れさくらが多く植えられている。橋を渡らずに内濠に沿って歩き、館神(たてがみ)跡という太閤秀吉の木像を祀った社の跡の近くから石垣の上の天守が見える場所がある。その近くに濠に映る天守と石垣、下乗橋を写すビュースポットがあり沢山のカメラマンが陣取っていた。私もその中に割り込み何とか写すことが出来た。ここから眺めた鷹丘橋も幻想的な写真になった。
 鷹丘橋を渡り本丸に入る。大きな八重紅枝垂れさくらがライトアップされている。本丸には八重紅枝垂れさくらがたくさん植えられている。こちら側から眺める天守は威圧感は無いが、白壁がさくらのピンクと対照的にライトに映えて美しい。
 下乗橋に進む。正面側からの濠を隔てて石垣の上にそそり立つ天守はやはり見ごたえがあり、昼間とは違った妖艶さも漂う。


 二の丸には大きな枝垂れさくらの巨木がある。紅枝垂れのような鮮やかさは無いがライトを浴びて屹立する姿は立派なものだ。二の丸から杉の大橋を通り、濠越しに辰巳櫓を見る。これも昼間とは違った趣がある。桜のトンネルに似た追手橋に続く道を戻り公園を後にした。

 ライトアップされた旧弘前図書館の前を通り、前回冬の弘前を観光した時に行ったことのあるTという居酒屋に入った。ビールの後早速地酒の「豊盃」を頼む。肴には「しゃこ」が丸々出てきた。寿司屋での「しゃこ」しか食べたことが無かったのでどう食べるのか分らなかったが、案内してくれたW君が「これは箸で上品に食べるものではないんだ」と言って手で頭と殻をはずし、「中の身を口ですするのだ」と実演してくれた。この辺りではたくさん採れてW君は子供の頃から食べていたそうである。W君夫妻に昼夜とも親身に付き合ってくれ、明日は更に五所川原を案内してくれるというので大いに恐縮し感謝した。

弘前城公園(3)

 翌5月6日早朝7時前に弘前城公園に行く。昨日に引き続き晴れていたが、午後は曇りで夜は雨になるという予報である。昨日は最高23℃まで上がったせいもあり、さくらはだいぶ散って来ている。気温が上がったことで霞がかかり岩木山が見えなかったので、朝早く空気が澄んでいる時ならばよく見えるだろうと期待していたのだが、昨夜も気温はあまり下がらず本丸からの岩木山はあまりはっきりとは見えなかった。しかし孤高の山は長い裾野を引いて中天に高く聳(そび)え、司馬遼太郎が「弘前城の本当の主は岩木山である」と冬の弘前城から見た岩木山の印象を「街道を行く、北のまほろば」に書いたことが実感として伝わってくる。

 思えばその本を読んで雪の弘前城にやって来た時には見る事が果たせず、再び来弘したさくらの弘前城でも初日には見られず、2日目にやっと岩木山の全体像を眺める事が出来て感慨無量であり、目を凝らしながらしばらく佇(たたず)んでいた。

 弘前さくらまつりも昨日で終わり、早朝だったせいもあって人影もまばらである。しかし本丸の紅枝垂れさくらは満開で、天守間近に咲いている棟方志功が名付けたという御滝桜も、濠側の滝のように優雅に咲く花枝とは違って、朝日を浴びた雄渾な全体像を見せている。

 昨夜ライトアップされた城と濠を写した北の郭の地点から、石垣に日のあたる朝の景色を撮る。鷹丘橋の池に映るさくらのピンクと橋の朱色も美しい。最後にだいぶ散ってしまったソメイヨシノと天守を撮って名残惜しく弘前城公園を後にした。

(H22-5-5〜5-6訪)

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