'17 利尻島・礼文島 [11景] 夏の花物語(2) イバイチの
旅のつれづれ

利尻島・礼文島 [11景] 夏の花物語
(平成29年7月26日~7月28日)

 7月27日(木)
  第2日目 利尻島沓形岬公園-
   利尻島から礼文島へ-
   ⑤ 桃岩展望台- ⑥ 澄海岬-
   ⑦ 江戸屋山道- ⑧ スコトン岬
  -礼文温泉・三井観光ホテル(泊)
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第2日目  早朝、沓形岬公園散策(番外)-ホテル利尻出発-フェリーで利尻島から礼文島へ- ⑤ 桃岩展望台ミニハイキング- ⑥ 澄海(スカイ)岬-
⑦ 江戸屋山道 -⑧ スコトン岬- 礼文温泉・三井観光ホテル


  翌7月27日朝、ホテル近くの沓形岬公園を散策した。この沓形岬公園は利尻島の最西端にある小さな岬で、近くには礼文島香深港との間にフェリーが走っている沓形港がある。岬の先端には時雨音羽(しぐれおとは)作詩の「出船の港」の一番の歌詞の碑が建てられている。

 時雨音羽は利尻島沓形の出身で日本のレコード界創成期の流行歌作詞家で昭和3年に発売した「出船の港」「鉾をおさめて」は中山晋平作曲、藤原義江歌唱により日本中で歌われた。それを記念して沓形岬に歌詞の碑と解説文が置かれているのである。(写真はどんとの碑、出船の港の解説盤)


 ここからは利尻富士や礼文島が望める場所であり、日本海の沈む夕陽の絶景ポイントでもある。また沓形崎灯台という小型灯台やキャンプ場がある。利尻富士は逆光でシルエットだけである。

ホテルに戻る遊歩道の近くに「キタノコギリソウ」の赤い花が咲いていた。前日姫沼で見たのは白っぽかったが、後から花ガイドに聞いたら色違いで白と赤があるとのことだった。(写真はどんとの歌碑の先に見える礼文島、沓形崎灯台と利尻岳、赤いキタノコギリソウ)

 ホテルに戻ったら砂利の小さな庭に黄色い花が植えられていた。フロントで聞いたらリシリヒナゲシという名で日本に自生する唯一のヒナゲシで、利尻の固有種だということである。(写真はホテル利尻、リシリヒナゲシ2景)


 8:30にホテルを出発し、利尻鴛泊(おしどまり)港に行く。港の北側に突き出した岩山をペシ岬という。頂上の先には鴛泊灯台があるので灯台山ともいわれている。フェリーターミナルに乗船する「フィルイーズ宗谷」という船が入ってくる。船への乗降にはフェリーターミナル2階から空港にもあるボーディング・ブリッジという装置を使用する。(写真はペシ岬、フィルイーズ宗谷号)







 ターミナルからも船室内からも利尻岳が良く眺められる。(写真はフェリターミナルに接岸するフィルイーズ宗谷号遠くの山は利尻岳、船内から見た利尻岳、客室風景、出港時の利尻岳、船内からの利尻岳)

 今回乗船した船は定刻の:20に鴛泊港を出港し45分間の乗船時間で、10:05に礼文島香深港に到着予定である。乗客が少なくガラガラだった。外側通路から眺めると利尻岳が小さくなって行き、礼文島が近くなってくる。

 礼文島香深港にもボーディング・ブリッジが設置してあり、そこから下船した。香深港からも利尻岳は良く眺められる。(写真は香深港フェリーターミナルのボーディング・ブリッジ、香深港からの利尻岳)


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 礼文島に到着し新しい宗谷バスに乗車し、早速花ガイドの 挨拶があった後、そのまま ⑤ 桃岩展望台ミニハイキングに出発する。桃岩とは桃の形をした球体状の巨岩で、高さが250m、幅が300mあり、海岸近くにある桃台猫台展望台から見上げると桃の形に見えるのである。(写真はバス車内の花ガイドの挨拶、ミニハイク出発点から眺めた桃岩)

 桃岩展望台からはあまり桃の形には見えないがその付近は礼文島を代表するお花畑で、300種類の高山植物が見られ、天然記念物に指定されているということである。麓の駐車場から展望台までの往復は花ガイドの説明を聞きながら約100分のミニハイキングコースである。(写真は桃岩展望台コースの案内板、天然記念物の標識、散策路を歩く人たち、桃岩と高山植物2景)

早速出会うのが「オオハナウド」という白い花である。次にあるのが同じ白い花の「エゾノシシウド」である。この花は大きいのや小さいのや沢山咲いていた。次は黄色い花連続して咲く「キンミズヒキ」である。薄紅紫色は「レブンシオガマ」であちこちに咲いていた。
 次に「エゾヨロイグサ」「エゾニュウ」がある。この2種類の花を見分けるのは難しい。同じ様な球形の花がたくさん咲くのだが、葉の形が違うらしい。(写真は「オオハナウド」、「エゾノシシウド」、「キンミズヒキ」、「レブンシオガマ」、「エゾヨロイグサ」、「エゾニュウ」)

  薄紫の花は「ミソガワソウ」という。穂先に白やピンクの花をつけるのは「イブキトラノオ」、穂先に白い花をびっしりつけるのは「チシマワレモコウ」である。紫の花は「チシマアザミ」「チシマゲンゲ」「タカネナデシコ」。(写真は「ミソガワソウ」、「イブキトラノオ」、「チシマワレモコウ」、「チシマアザミ」、「チシマゲンゲ」、「タカネナデシコ」)

 黄色い5弁の「オトギリソウ」同じく黄色の「ハンゴンソウ」「カンチコウゾリナ」や「ダイモンジソウ」などなど、他にも図鑑で調べ切れない花が沢山あった。(写真は「オトギリソウ」、「ハンゴンソウ」、「カンチコウゾリナ」、「ダイモンジソウ」)



 桃岩が間近に見える展望台に来る。展望台近くのがけ下に「レブンソウ」が咲いていた。またハイキングコースの途中に「レブンウスユキソウ」が1輪だけ咲いているのを花ガイドが教えてくれた。両方ともぜひ見たいと思っていたので嬉しかった。
 東南の斜面の「エゾノシシウド」や「エゾニュウ」などがたくさん咲いているお花畑の先に利尻富士が良く見えた。(写真は桃岩、「レブンソウ」、「レブンウスユキソウ」、利尻岳とお花畑)         

北西の方向の眼下に見える海岸に桃台猫台展望台や猫岩が見える。

(写真は桃岩展望台から海岸を眺めた風景)

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 桃岩展望台からミニハイク出発点に戻り、北上して金田の岬に行く。この岬は礼文島の最北端の海岸である船泊湾を挟んで、西側はスコトン岬、東側には金田の岬が突き出している場所である。

 スコトン岬は観光地として知られているが、金田の岬はあまり有名ではない。しかし金田の岬には船舶漁協直営の「海鮮処あとい」という食事処があり、そこでウニ、いくら、ボタンエビ、ホタテ、サケ、タコが入った海鮮処あといの昼食を食べた。この付近はアザラシ見物の名所になっているそうだが、今日は付近の岩場には海鵜が群れて休んでいるだけだった。(写真は金田の岬の標識、海鮮処あといの外観、海鮮処あといの昼食、鵜の群れ))

 次に島の西側にある ⑥ 澄海(スカイ)岬 に行く。途中にある船泊湾には以前稚内からのフェリーの定期航路が来ていた船泊港があり、日本最北端の船泊(ふなどまり)駅があったそうである。また船泊遺跡という日本最北の縄文遺跡がある場所でもある。 澄海岬に行く車の駐車場は西上泊という海岸にある。(写真は西上泊海岸、 澄海岬の標識)

 駐車場から坂道を上がる途中にある高山植物をガイドが説明してくれる。花は終わったが「イワベンケイ」の可愛らしい姿。「チシマフウロ」、「トウゲブキ」などである。(写真は「イワベンケイ」、。「チシマフウロ」、「トウゲブキ」)


澄海岬は南国のビ-チを思わせるコバルトブルーの澄んだ海が見渡せる場所である。海中の黒く見えるのは昆布である。(写真は澄海岬4景)



澄海岬周辺には岩礁が続いて眺望が良い。近くには黄色い「トウゲブキ」白い「エゾノシシウド」などがたくさん咲いていた。(写真は 澄海岬周辺4景)


次に ⑦ 江戸屋山道 に行く。この道は礼文島最北端の「スコトン岬」に続くトレッキングロードになっている。途中に「トド島展望台」があり、トドが訪れる最北の無人島、トド島が見渡せる。また「銭屋五兵衛貿易の地」という碑が立っている。銭屋五兵衛は幕末の頃活躍した加賀の豪商で、礼文島を拠点にしてロシアと密貿易をした人物でこの地で密貿易の傍ら江戸屋という屋号できんつば焼きを始めたと伝えられ、そこからこの地が江戸屋という地名になったともいわれているそうである。
 ここからは利尻島の利尻富士(1721m)と礼文島の最高峰礼文岳(490m)が同時に見られる地点でもある。(写真はトド島展望台の案内盤、海中の大きな島はトド島、銭屋五兵衛貿易の地の碑、同解説板、左手に利尻富士、右手に礼文岳が見える)

この付近は隠れた花の名所で、「オオハナウド」「エゾノシシウド」「エゾノヨロイグサ」「エゾニュウ」「ミソガワソウ」「ツリガネニンジン」などがたくさん咲いていた。(写真はお花畑の花5景)


 最後は ⑧ スコトン岬 である。礼文島最北端の地である。以前は稚内の宗谷岬とともに日本最北端の地と表示していたが、測量の結果宗谷岬の方が少しだけ北に位置していることが判明し、以後は再北限の地と名乗るようにしたとのことである。(写真はスコトン岬とトド島4景)

 スコトン岬から南下し、フェリーターミナル近くの礼文温泉三井観光ホテルが今宵の宿である。香深港からも利尻富士が良く見える。今夜の食事もカニ、ウニ、ホタテ、エビなどの海の幸がたくさん出た。天気も終日良く、満足の2日目だった。(写真は夕方の利尻富士、海の幸の夕食)

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(以下次号)

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