往事渺茫(おうじびょうぼう) その5      2014年5月22日 (木)
1. ショパンの別れの曲について

 先日、ブログ「上田千本桜観覧と塩田平逍遥3」にショパンの「別れの曲」の歌詞を教えてくれとのコメントがあった。これは以前、ブログとホームページにアップした「往事渺茫(おうじびょうぼう)その3」に「別れの曲」の最初の部分を書いたのだが、その歌詞の続きを知りたいというのである。

 この歌を知ったのは高校3年生の音楽の教科書に載っていたからである。当時友人が知り合いの女子生徒とピアノで連弾するんだと毎日練習をしていたのを、羨ましく思ったことを思い出す。もう60年以上前の昔である。当時音楽の授業は選択科目では無く必修だった。同じ汽車通学の他校の女子生徒にほのかな思いを抱きながら、間もなく新しい進路に進む感傷に浸っていた19才である。

 ショパンの美しいメロディと共に「過ぎにし春の日 花の香薫る夕べ---」の冒頭の歌詞の部分は何時でもすぐに思い浮かべるのだが、その後どう続くのだったかは殆んど忘れてしまっていた。この歌詞は堀内敬三の作詞か訳詞だとばかり思っていて、ネットで調べればすぐわかる筈だと思っていたのが見事に外れて、冒頭のフレイズの歌詞は見当たらないのを知って、コメントをくれた「ゆずさん」の戸惑いがやっとわかった。

 ピアノで連弾をすると言っていた友人とはその後音信不通になったので、どうしようかと思い、とにかくメロディを口ずさんでいれば何とかなるだろうと、何回も口ずさんでいるうちに最後の「忘れじや 若き日の夢」と中段の「燃えいづる浅草に」というフレイズを突然思い出した。「燃えいづる浅草に」はよく考えたら「萌えいづる若草に」だと気が付いた。

 最近は記憶力が減退し、最近の事が思い出せない場合が多くなっていたが、昔、強く心に残っていた事は覚えているものだという事を頼りに何回も繰り返し口ずさんでいるうちに、何とかそれらしい言葉が続くようになった。最後のフレイズの「忘れじや」は「忘れずや」だったかもしれない。絶対に間違いではないと自信を持って言えないのは残念だが、下記に記すので正確に知っている方にコメントして貰いたいと思う。どっちにしても1番の歌詞だけなので、2〜3番を知っている方には教えて貰いたいと思っている。

 過ぎにし春の日 花の香 薫る夕べ
 友とうち連れ 語りし日の 思い出浮かぶ
 別れの言葉を 萌えいづる若草に 秘めて
 また逢うその日の 幸(さち)こそ願いて
 変らぬ まことの言葉こそ 
 忘れじや 若き日の夢


2. マンドリン、レコード、CD、カラオケについて

 当時、小生の家にはマンドリンという楽器があった。楽譜もあったので、指使いを教えて貰い自己流で「荒城の月」や「ドリゴのセレナーデ」などを弾いていた。音楽にはメロディ、リズム、ハーモニーの3要素があるとか、長調と短調の区別、楽譜の読み方などを知らなければ楽器は弾けないので、その時、最低限度の楽典について覚えたのが、その後の音楽の聴き方、歌い方などに役立っていると思う。

 当時の思い出話で、「調子っぱずれのマンドリンのコロコロという音色を聞くと、何かせつない気持ちになる」などと言われていたのを思い出す。その後ギターも弾き始めたがどちらも人前で聞かせる腕前ではなかった。

今はもうマンドリンやギターは物置の奥で、月2回のカラオケレッスンで新しい歌を覚えるのが生き甲斐の一つになっている。聞く方では、結婚して新しいステレオを入れ、最初に買ったレコードはビング・クロスビーのホワイトクリスマスだった。映画を見て感激して買った思い出がある。

 レコードはリーダーズ・ダイジェスト社からムード音楽全集やファミリー音楽全集などを購入していた。CDになってからはソニーの「世界クラシック名曲大全集」や〈ホームミュージック大全集などで基礎を作り、その後ソニーのCDクラブに入り、毎月送られてくる曲目から欲しい曲を購入するシステムによって300枚近くのCDを保有している(現在ソニーCDクラブは廃止されている)。その中から、現在でも就寝時にはショパンのノクターン、エチュード、プレリュードやモーツアルトのアンダンテ、アダージョだけの曲などをよく聴いて居る。

 また平成18年から現在所属しているカラオケクラブに入ったが、それによって50枚近くのカラオケ用CDを保有している。カラオケ用CDとは最初に歌手の歌が入るのでそれをよく聴き、その後カラオケ伴奏だけの音楽に合わせて歌う練習が出来るカラオケの事を言うが、そのため新しい歌手の歌も覚えられ、年に数回ある発表会で歌う事が出来るようになった。

 音楽の記憶媒体もレコードからCDに代わり、更にTV、ラジオ、CDなどから録音するMDを経て、USBメモリーが若者の主流になってきているが、なかなかそこまではついて行けず、ミニコンポでクラシックやムードミュージック、ポップス、ラテン、映画音楽などを聞き、カラオケの演歌で声を張り上げている昨今である。

(この項終わり)
    

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