桜の弘前と五所川原 (2) 弘前城公園(その1)   イバイチの
旅のつれづれ


弘前城公園の桜

 W君夫妻の家でリンゴジュースやリンゴゼリーなどを御馳走になった後、一緒に弘前城公園に向かった。夕方から夜にかけての桜を観賞しようというのである。外濠の桜は葉桜になり掛けていたが水面は散った花びらで一面の花筏だった。今日は桜まつりの最終日だったが人混みはさほどではなく公園内の売店の人の話では5月2日〜3日は歩けないほどの人出だったという。

 公園の正面入り口である追手門から入ると、広い道路に左右の桜並木から枝が伸び、桜のトンネルになって辰巳櫓手前まで続く。濠と桜を眺めながら左折するとやがて右折して杉の大橋、南内門に至るのだが、城の櫓、朱塗りの橋、水面の花筏、そして満開の桜のバランスが素晴らしい。
 杉の大橋の手前にある八重紅枝垂れが数本あるが、紅色が濃く見栄えのするこの桜も丁度満開だった。杉の大橋を渡ると左折したところに南内門がある。弘前城の築城時代からの門は5棟が現存し、国の重要文化財に指定されている。追手門も東内門もそのひとつである。
 南内門をくぐり、二の丸広場に出る。内濠の先に咲き誇る桜花をとおして下乗橋と弘前城天守が望める。いつまでも見飽きない景観だがここから桜と城がバランス良く撮影できるポイントはほんの少しの幅しかなく、チャンスを逃すと直ぐに人で埋まってしまう。下乗橋も人がいっぱいで暫くシャッターチャンスをうかがって写した。この辺りのソメイヨシノは少し盛りを過ぎて花吹雪が天守の屋根まで吹き上げていた。

 北の郭から西濠に行く。春陽橋を渡り湖畔に沿って歩く。この辺りはワシントンのポトマック河畔に似た桜の景色だと言われている。水面には家族連れやアベックのボートが沢山漕ぎ出されている。古木が多く太くうねった幹から水面に向かって垂れ下がる枝に咲く桜花が水面に映り、花びらも数多く浮かんで春日のひと時を演出し、その中をそぞろ歩くと気持ちがゆったりとする。

 西濠の西岸から東岸に移ると桜のトンネルと名付けられた、両サイドから枝が張り出し花のアーケードが続く道になる。桜まつりの最終日の夕方近くで人通りはだいぶ少なくなってきている。もう少し日にちが過ぎると桜吹雪が見事になるそうである。花の間から春陽橋を望むと橋上にはまだ人が多く居て眺望を楽しみ、記念写真を撮っている。
 公園内には「日本一太いソメイヨシノ」と「日本最古のソメイヨシノ」が植えられている。「日本一太いソメイヨシノ」は案内板によると環境省が全国巨樹巨木林を調査した時に幹周537センチあり、日本最大幹周のソメイヨシノと認定されたとのことである。植栽時期は明治初期化中期の頃だそうである。
 また「日本最古のソメイヨシノ」は明治15年(1882)に旧藩士の菊池盾衛が廃藩によって荒れ果てた城内を見かねて、当時新しい品種として世に出たソメイヨシノ1,000本を植栽したものである。案内板には菊池盾衛が植栽寄贈したとの説明の他に、ソメイヨシノの寿命は60年から80年とされていたが、弘前公園には樹齢100年を超すものが300本以上あってその管理技術は素晴らしいと絶賛されていると手前味噌も記している。

 弘前公園のさくらは総本数2,600本とのことであるが、その管理手法はリンゴの木の再生からヒントを得て、衰えた枝を剪定して樹形を整えると、そこから新しい若枝が伸び出すので適宜に施肥をして樹木全体を若返えらせ、新しい枝に次々に花を咲かせるという方法で、一年を通じて管理体制を整備実行しており、日本一のさくらと自賛するだけある素晴らしいものである。

 「日本最古のソメイヨシノ」の前で今年1月に雪中の弘前公園を案内してもらった観光ボランティアガイドのSさんに出会った。雪の中のSさんの写真などをを持参して来たのでさっそく渡した。Sさんはよそのお客の案内をしている途中だったので、たいした話もできず残念だった。

津軽藩ねぷた村

 夕暮れになったがまだ空は明るいので、夜桜を見る合間に公園の東側にある観光施設「津軽藩ねぷた村」に立ち寄った。ここには「弘前ねぷたの館」で「弘前ねぷた」が展示してある。また弘前ねぷた祭り(8月1日〜7日)で使用する大きな太鼓が3基置かれており、時間制で観光客も参加しお囃子に合わせて太鼓を叩けるようになっている。私も勧められて力いっぱい叩きストレス解消した気分になった。弘前ねぷたの形は扇形が主流になっていて正面の絵は鏡絵といって勇壮な画像が描かれている。後面は見送り絵と言って憂いを含んだ美人画が描かれている。

 他にも津軽三味線を演奏する「山絃堂」があるが、時間が遅かったので演奏は聞けなかった。また津軽塗の漆器、津軽焼の陶器、弘前こけしなどの実演販売を行っていたがこれも時間が遅いせいかお客は殆んど居らず、うら寂しい感じだ。

(H22-5-5訪)

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