九州よかとこ1

九州よかとこ周遊（1）　唐津・九年庵

イバイチの
旅のつれづれ

平成２７年４月８日（水）～４月１０日（金）

　第１日　茨城空港―福岡空港―唐津市「海舟」(呼子のイカ）―神埼市九年庵―
　　　　　　別府海鮮市場「華海鮮」(関サバ・関アジ）―
　　　　　　別府温泉「亀の井ホテル」（泊）
　第２日　別府温泉―中津市深耶馬渓―瀬の本高原―高千穂峡―
　　　　　　　菊池温泉「菊池グランドホテル」（泊）
　第３日　菊池温泉―柳川船下り（ウナギのせいろ蒸し）―秋月城跡―
　　　　　　大宰府天満宮―福岡空港―茨城空港　
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出発まで

平成２７年（2015)は、私たち夫婦の結婚５５年目に当たる。５年前は金婚記念に北海道旅行をしたので今回は九州旅行をすることにした。昨年は松江から出雲の方面に、一昨年は小豆島から四国巡りをしたので、３年続けて南の方に行くことになった。今年は夫８２才、妻７９才になるので、今後はもう夫婦揃っての遠出は出来ないだろうと思い、九州まで足を延ばすことにしたのである。

　旅行計画は当初クラブツーリズムの｢九州６県いいとこどり　４日間｣という羽田空港から１１月１５日出発の北九州を巡る旅を検討し申し込んだが、最少催行人員に達せず中止になってしまった。しかしそれに申し込んだ後、同じ日に茨城空港発｢紅葉とグルメ九州よかとこ周遊　３日間」というコースが企画されたため、それに乗り換えることにした。１１月中旬になれば九州でも紅葉が見られると思ったのである。

　｢紅葉とグルメ九州よかとこ周遊　３日間」というコースは、毎年紅葉時期の９日間だけ一般公開されるという佐賀県の九年庵という庭園から、大分県の深耶馬渓、宮崎県の高千穂峡、佐賀県の水郷柳川、福岡県の秋月城跡、大宰府天満宮を巡るようになっている。グルメは唐津の呼子イカ、別府での関サバ・関アジの豊後会席、柳川のうなぎせいろ蒸しという事で大いに期待した。

第１日目　唐津－九年庵－別府

 　１１月１５日朝、小雨の中８時０５分発のスカイマーク便での出発である。同じコースで行くメンバーは約４０人ほどで、クラブツーリズムから添乗員が同行する。飛行機はほぼ満席の乗客を乗せて、定刻に茨城空港を飛び立った。福岡空港に１０時１０分着。荷物を受け取ったりして１０時４０分頃空港から専用バスで唐津に向かう。唐津には高速環状線から西九州自動車道で１時間弱で着く。日本３大松原の一つ虹の松原を通り、唐津湾に浮かぶ高島という島や唐津城を車窓から眺めながら活き造りイカ料理店の｢海舟｣という店に向かった。（写真は３日間御世話になる柳城観光バスで旗を持っているのが添乗員、車窓からの唐津城２景、同じく車窓からの唐津湾と高島）

　虹の松原は１７世紀の始め、唐津藩の初代藩主が新田開発の一環として唐津湾の海岸近くに植樹を行ったのが始まりで、長さ５km、幅１kmにわたって約１００万本のクロマツが群生している。日本３大松原は三保の松原、敦賀市の気比の松原が挙げられているが両者とも数万本しかなく、虹の松原が断然日本一である。（写真は車窓からの虹の松原２景）

　唐津市呼子町の呼子イカは船に挙げるとすぐ死んでしまうイカを、活きたまま料理することで全国的に知られている。「海舟」というイカ料理店の生き造りの刺身は勿論旨かったが、食べた後の皮や足はすぐに天ぷらにしてくれ、これもまた美味しかった。（写真はイカの刺身全景、刺身を少し食べている所、刺身を食べ終わった所、足などの天ぷら）

　唐津を１２時半に出て、多久ＩＣから長崎自動車道を東背振ＩＣまで行く。このＩＣからは国の特別史跡になっている弥生時代の堀で囲まれた大規模な環濠集落として名高い吉野ケ里遺跡が近いが、今回の目的地は同じ神埼市にある九年庵である。

　九年庵は佐賀市の伊丹弥太郎という実業家が明治時代に９年の歳月をかけて作った別荘で、毎年新緑のゴールデンウイークに４日間、紅葉の時期に９日間だけ一般公開されるという事で、今年は春は５月２日から５月６日まで、秋は１１月１５日から２４日までの公開で秋の紅葉の素晴らしさは定評があるといわれ国の名勝に指定されているが、その秋の公開初日の日曜日に訪れたのである。

　公開日数が限られている上休日なので、初日から観光バスが何台も押し寄せ広い特設駐車場も一杯になってしまう。１４時頃到着し沢山の人の中を４列になって進んで行く。九年庵は仁比山神社という山の神、農業の神を祀ったという社があるがその参道の入り口に江戸時代に造られた仁王門がある。この門は聖武天皇の頃、仁比山護国寺という寺が創建され、神仏分離令により仁比山神社と護国寺地蔵堂に分けられたが、仁王門からの参道はそのまま仁比山神社と九年庵のに向かう道になっている。（写真は駐車場から仁王門付近２景）

　九年庵は参道の左側にあり、?中門という庭園への入り口から紅葉を愛でながら入母屋造り萱葺屋根の母屋に続く様になっている。まだ紅葉は始まったばかりで、その４日前に訪れた茨城県奥久慈の大子町での見ごろだった紅葉からは数段落ちる。しかも大勢の人に押されて立ち止りも出来ず歩くので、ゆっくり庭園を眺める事も出来ず期待はずれだった。今回はツアーだったので文句も言えないが、見ごろの時に朝早くゆっくり散策出来たら素晴らしいだろうと思った。（写真は九年庵庭園４景）

　その中でも、もう数日経てば素晴らしい紅葉が見られる風景を示す。

　（写真は九年庵庭園５景）　　　　　　　　　　　　　

　しかし地表や木々を覆う苔は素晴らしく、先月佐久の貞祥寺に行った時の苔の美しさに勝るとも劣らない景色である。（写真は樹木や地上に生える苔類４景）

　また萱葺の屋根とモミジの取り合わせや池に映るモミジの配置などももよく考えてられており、九州では無くもっと近くにある場所ならば、また訪れたいと思わせる雰囲気があった。（写真は建物と紅葉４景、池とモミジ）

　九年庵の東門から再び仁比山神社の参道に出て神社に行く。参道は右手に折れて行くがそこに樹齢８００年以上という大きなクスノキがある。苔に覆われたパワースポットなのだそうである。直ぐ先にある日吉宮という鳥居をくぐって境内に入る。（写真は仁比山神社への参道、クスノキの案内板、大きなクスノキ、日吉宮の鳥居）

　九年庵から仁比山神社を通り、護国寺地蔵堂に抜けるのが降りるコースになっており、神社にも沢山人がいた。仁比山神社は山王さんと呼ばれ、１２年ごとの申（さる）の年に｢御田舞｣という県の重要無形文化財の舞を奉納するそうである。ここも紅葉の名所なのだが、階段を下りるところにあるモミジ以外には赤く染まったモミジは残念ながら少なかった。（写真は仁比山神社本殿、色付いたモミジ２景、階段途中のモミジ）

　１５時３０分に九年庵一帯に別れを告げて長崎自動車道から大分自動車道に入り、別府を目指す。約２時間掛かって夕方別府に着く。猿で有名な高崎山や別府湾を眺めて小休止した後夕食の場所に行く。（写真は別府の市街地と高崎山、別府湾の風景）

　別府海鮮市場「華海鮮」という食事処での夕食は、｢関アジ・関サバなどの豊後会席料理｣というので期待したのだが、肝心の関サバ、関アジは小さな切身が３枚と４枚しか無く、しかも１切れ３００円もすると店の人は説明していたがそれだけの価値があるとは思えなかった。
　食堂の広い座敷に並んでしかも食事時間は４０分と制限されており、折角別府温泉に来たのだから、温泉に入ってお酒でも頼んでゆっくりと今日一日を思い出しながら食事を楽しむという雰囲気では無く、豊後会席という料理も貧弱に見えガッカリだった。（写真は豊後海鮮料理の一部，右側にあるのが関アジ。関サバ）

　第１日目の評価は、呼子のイカ ◎、九年庵 ○、関アジ・関サバ × である。