松江・出雲3

松江・出雲漫遊（3）　宍道湖、松江城

イバイチの
旅のつれづれ

　

平成２６年１１月１６日（日）～１１月１９日（水）
　第１日　茨城空港―神戸空港―米子空港―皆生温泉
　第２日　皆生温泉―足立美術館―出雲大社― 一畑薬師―島根県立美術館―松江市
　第３日　松江城―小泉八雲記念館―塩見縄手武家屋敷―由志園―
　　　　　美保神社―美保関灯台―境港水木しげる記念館―米子市
　第４日　米子空港―神戸空港―茨城空港　
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６．宍道湖の夕日

　宍道湖畔から夕日を眺めるため一畑薬師を１５時４０分頃出発する。天気予報通り午後になって雲が厚くなり、陽の光が無くなってきた。これでは夕日は見られないかもしれないと悪い予感を抱きながら宍道湖北側の国道４３１号線を進む。

　宍道湖は日本で７番目の大きな湖である。隣接する日本で５番目の大きさの湖である中海（なかうみ）と大橋川で結ばれ更にその先は日本海であるため、海水が混じる汽水湖である。宍道湖と中海に挟まれ松江城を囲む堀川めぐりの観光船も頻繁に行き来しているので、松江市は｢水の都松江｣ともいわれている。

　その松江市の宍道湖に沈む夕日の美しさは日本一といわれ、宍道湖東岸には幾つもの夕陽を眺めるスポットがある。その一つである島根県立美術館に１６時３０分頃着いた。
　島根県立美術館は湖を一望できるガラス張りのロビーと芝生広場を無料開放し、３月～９月は日没３０分後まで開館時間を延長している。訪れた１１月は１７時少し前が日没時間だった。(写真は島根県立美術館２景)

　美術館から芝生広場に出て遊歩道を少し歩くと、｢宍道湖夕日スポット｣と名付けられた座ってゆっくり眺められる階段状のテラスがある場所がある。その前方には嫁ヶ島という小島があり、宍道湖に沈む夕日が嫁ヶ島と共に見える絶景ポイントとして人気がある。また近くには江戸時代からある袖師地蔵と石灰地蔵という２体の地蔵さんが置かれていてこれも撮影ポイントになっている。(写真は嫁ヶ島、２体の地蔵２景）

　暫らく待っていたが雲がとれそうも無く諦めて夕日の無い宍道湖の写真を撮った。なお松江観光協会のホームページの夕陽ギャラリーに自由に利用可の写真があったので、それを3景コピーさせて貰った。(写真は夕日の無い宍道湖、夕陽ギャラリーの沈む夕日３景)

　美術館前の芝生広場に戻る。そこには薮内佐斗司の｢宍道湖うさぎ｣など幾つかの彫刻作品が設置されていて湖と良くマッチしていた。

(写真は芝生広場の彫刻群６景)

　夜は大橋川畔の野津旅館に泊まり、隣の「根っこや」という居酒屋で食事をした。この店は少し高級で、カウンターで土地の人と話が出来るような店で無かったのが残念だった。「ドギの唐揚げ｣というのを食べた。珍しいので写真に撮った。メニューの揚げ物の一番上方にあるもので、現物は下の皿のものである。味は普通だった。(写真は居酒屋入口、注文した｢根っこや膳」のメニューとその中にあった「ドギの唐揚げ｣）

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７．松江城、塩見縄手

　翌朝小雨の中、宿を出る。今日は松江城から小泉八雲の住居や武家屋敷などがある塩見縄手という地区に行き、その後日本海に面した美保関の美保神社に参詣し、境港市の水木しげる記念館まで行く予定である。今回の旅は３泊４日だが、実質２日しか無いので、強行軍の日程である。

　松江城の大手前広場駐車場に到着する頃雨は殆んど止んでいた。松江城の周囲は堀川と呼ばれる内濠で囲まれ、大手前広場には堀川めぐり遊覧船の乗船場がある。内濠で囲まれた中は松江城を中心にした城山公園として整備されている。大手前の城山公園入口には慶長１６年（1611）に関ヶ原の戦いの後出雲・隠岐の領主になった堀尾吉晴が、松江城築城を指揮する姿の銅像が設置されている。(写真は遊覧船乗場付近の城の石垣と濠、公園案内図、堀尾吉晴銅像)

　現存する天守は千鳥が羽を広げたような破風が使用されているので、千鳥城とも呼ばれており、重要文化財になっている。(写真は松江城天守一ノ門付近より、正面、側面、解説チラシ）

　松江城山公園は遊歩道が整備されており、松江城天守から馬洗池を経て城山稲荷神社近くの遊歩道を歩く。この遊歩道は小泉八雲も良く散策し、城山稲荷神社に置かれている多くの石狐の中にお気に入りの石狐があったという。(写真は散策マップ、城山稲荷神社)

　散策路は西堀川に架かる稲荷橋までで、近くに「松江堀川ふれあい広場乗船場」がある。大手前広場にも乗船場があったのだが、これは「ぐるっと松江堀川めぐり」というガイド付きの遊覧船に乗って、城を囲む内濠の堀川から外濠の京橋川、米子川を巡り城下町の風景を楽しむもので、乗船場は前記２ヶ所の他に「カラコロ広場乗船場」という商店街の近くの３ヶ所だけで全長３．７ｋｍを５０分でめぐるものである。(写真は稲荷橋、橋をくぐって行った遊覧船、乗船場に向かう遊覧船)

　松江城と西堀川を挟んだ対岸が塩見縄手という地区で、昔中級武士の屋敷が建ち並んでいたが500ｍほどの通りの中ほどに塩見某の屋敷があったことからこの辺りを塩見縄手と呼ぶようになったという。縄手とは長い一本道のことである。武家屋敷風の家が軒を連ね、堀川側には江戸時代からの老松が建ち並び城下町の風情を漂わせている。当地区は松江市伝統美観指定地区になっておりまた｢日本の道１００選｣にも選定されている。(写真は塩見縄手の武家屋敷２景)

　ふれあい広場側から行くと最初に小泉八雲記念館がある。小泉八雲（ラフカディオ・ハーン）は明治２３年（1890）９月に中学の英語教師として松江に赴任した。翌明治２４年に士族の娘小泉セツと結婚し、記念館に隣接している武家屋敷「小泉八雲旧居」で５ヶ月間の新居生活を送った。その後熊本の第五高等学校の英語教師、東京帝国大学の英文学講師を務め、日本に帰化した。小泉八雲の著作としては「耳無芳一」「雪女」などを納めた｢怪談｣が有名だが、他にも多くの著作があり日本文化の紹介者として知られている。記念館には八雲の直筆原稿や初版本、愛用の机・椅子などが展示されている。(写真は小泉八雲記念館、記念館のパンフレット)

　隣接した小泉八雲旧居（ヘルン旧居）は八雲が住んでいた当時のまま保存されており、国の史跡に指定されている。観覧は八雲が部屋から庭を眺めるのが好きだったという事で、庭園が対象になっている。向かい側にある塩見縄手広場には小泉八雲の胸像が建立されている。（写真は小泉八雲旧居、入口付近、屋内からの庭園、小泉八雲の胸像）

　八雲庵という武家屋敷を改装したそば処を過ぎると江戸時代初期に建てられた松江藩中級武士が住んでいた武家屋敷が公開されている。(写真は八雲庵、武家屋敷長屋門、案内板、武家屋敷パンフレット表紙と解説)

　座敷には当主の許に部下が書類を持参して指示を仰ぎに来た場面が再現されている。庭園も良く手入れされていた。(写真は武家屋敷座敷、庭園３景)

　塩見縄手を堀川に沿って大手前広場に向かいそぞろ歩く。堀川には遊覧船が行き交い老松の景観も趣きがあった。(老松の写真は松江ギャラリーの｢松江百景｣からのコピーです) （写真は塩見縄手からの堀川と遊覧船や老松など５景）