水戸市備前堀界隈 (その2) イバイチの
旅のつれづれ



                     (水戸市で作成したマップを一部修正した)

3.備前堀灯篭流し

 毎年8月16日には備前掘の銷魂(たまげ)橋から三又橋までの区間で商店街振興組合と市民団体が共同で、備前堀灯篭流しの行事を行っている。灯篭流しとは死者の霊を弔ってお盆の灯篭や供え物を海や川に流す行事で、送り火ともいわれている。

 備前堀の傍で流し灯篭を一個500円で購入し供養の言葉や願い事などを書いて銷魂橋下に仮設した流し台から下流の三又橋に向かって流すのである。途中の道明橋には僧侶が集まって鎮魂の読経を唱えている。道明橋上にある伊奈備前守忠次の像の前には多くの竹灯篭が並べられている。

 明るかった空もだんだん暗くなり、堀の両側に張り巡らされた提灯の明かりが水面に映し出されるようになり、その中を蝋燭を灯した灯篭が列をなしてゆっくりと流れて行くのを見ると、厳粛な気持ちと幻想的な雰囲気が混ざり合わさった何とも言えない気分になる。

 時間は18時から21時までだが、肉親を悼むばかりでなく昨年の震災で亡くなった人達の霊を慰めようと思う人々が多く居るせいか、時間内には収まらないほど多くの市民が並んで灯篭流しの順番を待っていた。

4.ハミングロード513

 備前堀から少し離れた場所に、堀と並行して大洗方面に走るハミングロードという道がある。水戸市は徳川時代には水戸駅北口の左手にある銀杏坂を境にして水戸藩士族の屋敷がある上市と商業地域の商人たちが住む下市に分かれていた。
 水戸城は水戸駅のすぐ近くの丘の上にあり、城の北側には那珂川が流れ、南側には現在の3倍以上の面積があった千波湖が丘のすぐ下まで迫っていて天然の濠の役目を果していた。
 水戸街道は江戸千住宿から備前掘用水が流れ出る場所にある水戸宿銷魂橋まで20の宿場があり、その間の往来はは通常2泊3日の行程だった。

 銷魂橋を渡リ、そのまま国道51号線の方に直進すると、100メートルほど先の右手の曲がった所が宿場町になっており、そこが水戸宿で実際の水戸街道の終始点になっている。ここから北には陸前浜街道(岩城相馬街道)が続いており東に行く道は大洗街道である。町並みの中ほどに、江戸(水戸)街道宿場跡の石柱があり、解説文が裏側にある。また江戸時代初期に水戸城下町で整備された笠原水道で使用した竜頭共用栓を複製したものが置かれている。(写真は宿場跡の石柱と解説の石柱)

 水戸宿でもっとも賑やかだった場所は現在ショッピングモール「ハミングロード513」という名で昭和62年にリフレッシュした本町1丁目と本町2丁目の商店街である。この道は一方通行になっており、ところどころ駐車スペースが設けてあり、店の近くに車を止めて買い物が出来るようになっている。(写真はハミングロードのちらしと駐車スペース2景)

 また街角には彫刻された像が多数置かれており、楽しみながら散策したり、買い物をしたり出来るようになっている。

 ハミングロード513の「513」とはこの道路の全長が513メートルあるところから名付けられた。 (写真は主要な彫刻像12景)

 毎月1日とみそか日に行われるびっくり市をはじめとして1月にはだるま市、2月には近くの常陸三ノ宮である吉田神社で節分祭が行われ、8月には黄門まつり、10月には吉田神社例大祭の山車の練り歩きなどを行って商店街の振興を図っている。

 商店街の振興会では他にも近くにある水戸市立浜田小学校と連携して10月のハロウィンには英語で受け答えをして上手くいけばお菓子と交換できるスタンプを捺してやったり、ウインドギャラリーとして子供たちの絵や写真を商店に展示したり、11月にはハミングロードマラソン大会を行ったりするなどして住民ぐるみで街の活性化に努めている。(写真はハロウィンの子供たち2景とマラソン大会風景2景)

 本町1丁目と本町2丁目の「ハミングロード513」に続いて本町3丁目は「ふれあいロード5・6・7」という名の商店街になっている。


 水戸市街地は戦災で殆んどが焼かれたため古い建物は残っていないが、この
  本町1丁目から本町 3丁目までの商店街に戦後建てられた個性的な店構えの商店を幾つか紹介したい。
写真上右から 1.井幸茶舗 2.油屋菓子店 3.蔭山人形店 4.れんがの家コーヒー店 下右から 5.栗原石材店 6.武士味噌店 7.中屋金物店 8.吉久保酒造店である。
 
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