湖西1

紅葉の湖西逍遥 (１) 　石山寺　

イバイチの
旅のつれづれ

　紅葉の湖西逍遥
　　　　（平成２０年１１月２１日～１１月２２日）

　　　第１日
　　　　　石山寺―義仲寺―三井寺―琵琶湖ホテル(泊)

　　　第２日
　　　　　日吉大社―滋賀院門跡
　　
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１．はじめに

平成１８年（2006）１１月、奥の細道をたどる旅の最後として、敦賀から色の浜、大垣のむすびの地まで、更に芭蕉の墓のある大津義仲寺への旅をした。平成１３年に思い立って奥の細道をたどる旅を始めてから５年目にやっと結びの地までたどり着くことが出来たのである。
　奥の細道をたどる旅についてはホームページ「イバイチの旅のつれづれ」の中にある「イバイチの奥の細道漫遊紀行」に詳しくアップしてあるので、そちらもご覧になって頂きたい。

　とにかくこれが奥の細道をたどる旅の最後になると思ったので、少し豪華に最後を飾ろうとを考え、琵琶湖周辺の高級ホテルである琵琶湖ホテルに泊まって松坂牛に次ぐ高級肉といわれる近江牛を味わい、燃えるように素晴らしいという住吉大社の紅葉見物を付け加えることにした。

　第１日である１１月１９日（日）は水戸７時発（スーパーひたち）、東京（ひかり）、米原（しらさぎ）と特急と新幹線を乗り継ぎ敦賀に１２時３０分に到着した。早速駅からレンタカーで、気比神社や松原神社などの奥の細道ゆかりの施設や、筆者の住んでいる茨城に関係のある天狗争乱関連施設を見て回り、敦賀観光ホテルに宿泊した。（内容は「イバイチの奥の細道漫遊紀行敦賀」に詳述してある）
（写真は気比神社の芭蕉像）

　第２日は午前中にレンタカーで敦賀半島の先端近くにある色ノ浜という芭蕉が船で行って宿泊した場所まで往復した。（内容は「イバイチの奥の細道漫遊紀行種の浜（いろがはま）」に詳述してある）。
　その後１１時４６分敦賀発特急（しらさぎ）で１時間後の１２時４６分に大垣に到着した。大垣は奥の細道むすびの地である。駅前から「むすびの地記念館」がある場所まで奥の細道で詠んだ代表句２０句の句碑が建てられ、最後に奥の細道のむすびの句である「蛤のふたみに別行秋ぞ」が彫られた蛤塚がある。また「むすびの地記念館」には奥の細道の資料もあり、付近にはむすびの地にふさわしく、芭蕉を始め多くの俳人の句碑が建てられている。（内容は「イバイチの奥の細道漫遊紀行大垣」に詳述してある）夜は「かんぽの宿彦根」に宿泊した。（写真は蛤塚）
　この章では「イバイチの奥の細道漫遊紀行」に載せた紀行文以外の石山寺、三井寺、日吉大社などについて述べたい。

２．石山寺

　第３日は彦根から西国三十三観音の十三番札所である石山寺に行く。ＪＲ石山寺駅前に芭蕉の像があった。芭蕉はここ大津市が気に入り、木曽塚の草庵（現義仲寺）に仮住まいし、また石山寺の近くにある「幻住庵」に滞在して「幻住庵記」を著したり、没後は義仲寺に埋葬されるなどして関係が深いのである。（写真はＪＲ石山寺駅前の芭蕉像）

　石山寺は琵琶湖から流出する瀬田川のほとりにある奈良聖武天皇の時代に開かれた古寺で、境内には桂灰岩という天然記念物の岩山の上に建てられ、それが寺名の基になっている。参拝経路は重要文化財の東大門から入る。左右の金剛力士像は通常金網で覆われているのだがここの力士像には珍しく金網が無く、上半身が良く見られた。一時運慶、快慶の作といわれたこともあったが、重文にも指定されていないので、あまり名のある彫師の作では無かったらしい。（写真は東大門、左右の金剛力士像）

　東大門から真っ直ぐに参道が伸びているが、その両側の木々は紅葉の真っ盛りだった。

　石山寺は紫式部が源氏物語の想を得た場所としても知られているが、それ以外にも花の寺、月の寺として有名である。また、紅葉にも素晴らしいものがある。
　（写真は参道から眺める紅葉の木々７景）

　御手洗のある場所から石段を上がると桂灰岩とその上に建つ国宝の多宝塔が望める。この多宝塔は源頼朝が寄進したもので、現存する最古のものだそうである。巨大な桂灰岩の所から左折するとこれも国宝の本堂がる。ここも紅葉に覆われている。

これは平安時代中期に建設され、滋賀県最古の木造建築物ということである。ここは西国三十三観音の札所なので、御朱印を貰った。（写真は多宝塔、本堂及びその周辺６景、御朱印）

　多宝塔に続く階段の近くに芭蕉の句碑がある。芭蕉は石山寺を仮寓にした事あり、多宝塔の更に上方の瀬田川を見下ろす地点に芭蕉庵という建物があるのがそれだという事になっている。芭蕉庵と並んで月見亭という建物があるがこれは後白河上皇の行幸の時建てられたということで、毎年中秋の名月の時には、ここ月見亭と芭蕉庵とで月見の宴が催されるそうである。ここは近江八景のうち｢石山の秋月｣として知られており、眼下には瀬田川の先に瀬田の唐橋や琵琶湖を俯瞰できる景観の良い場所である。（写真は芭蕉句碑、月見亭、月見亭付近からの瀬田川から琵琶湖方面の眺望）

　月見亭から境内の裏手の道を行くと無憂園という庭園に出る。こちらにはあまり人が来ないので、街の喧騒から遠く離れて静寂な雰囲気の中でゆっくり紅葉が楽しめる。

園内の小路を一周するとやがて表参道に行く道につながり、東大門に通じている。（写真は無憂園６景）

　石山寺に着いたのは１０時半で１２時までの予定だったが、紅葉の素晴らしさに目を奪われて１３時４０分になってしまい、次の幻住庵に行く時間が無くなったしまった。そのあと義仲寺、三井寺も回る積りだったので、芭蕉が住んでいた幻住庵訪問は断念し、義仲寺に向かった。

義仲寺には木曽義仲の墓と並んで松尾芭蕉の墓がある。
　義仲寺については、（「イバイチの奥の細道漫遊紀行 (附)義仲寺」に詳述してあるのでそちらをご覧になって頂きたい。（写真は義仲寺入口付近と芭蕉の墓所）

（以下次号）

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