　2020年（令和２年）5月に、「しまうまプリント」で下記の５種類のフォトブックを作ったことを　写真集（フォトブックを５種類作る　で紹介したが、その後もフォトブックを作った。

　前回は、「北海道(1)、(２)」の２部について紹介した。（左に表紙を示す。）

　　その後、「北海道（３）」「東北（4）」「東北（５）」、「立山黒部アルペンルート」と作成したが、今回はその中で、「立山黒部アルペンルート」を、紹介する。
　その前に「北海道(３)」「東北（4）、（5）」の表紙と概要をを示す。
　

　「北海道(３)」は「利尻島、礼文島夏の花物語」というクラブツーリズムのツアーで、羽田空港から新千歳空港経由で利尻空港にダイレクトイン、ダイレクトアウトし、利尻、礼文の夏の花１１景を見るという内容で、平成２９年（2017）７月の２泊３日の旅である。利尻島は日本最北の百名山である利尻岳の秀麗な姿が島のどこからでも良く見え、礼文島は300種類以上あると言われる高山植物が海抜０メートルから咲くので、花の浮島と呼ばれている。

　「東北（４）」は岩手県の旅で、平成２３年（2011）６月に花巻温泉から宮沢賢治の事跡をたどった旅と、平成２４年（2012）９月に盛岡から石川啄木の故郷を訪ね、太平洋側に行き、で前年９月に発生した東日本大震災の爪痕の凄さを見聞しながら、宮古市、浄土ヶ浜、北山崎、龍泉洞をレンタカーで回った記録である。　

　「東北（５）」は平成２４年（2012）４月に、新潟県弥彦神社に参拝した後、五泉市の１５０万本あるといわれるチューリップの赤、黄色、白、紫、橙色に彩られた満開の花畑を見た後、福島県会津の千歳桜、石部桜の老木を再訪し、屋根瓦を黒瓦から江戸時代の赤瓦に復元したばかりの、桜に囲まれた会津鶴ヶ城の景観を満喫した自家用車での旅だった。

「立山黒部アルペンルート」
　立山黒部アルペンルートの基になったのは黒四ダムの建設で、三船敏郎と石原裕次郎の映画「黒部の太陽」(1968年、昭和４３年封切り）の公開で広く知られるようになった。

　戦後の電力需要が急増し、特に関西では企業ばかりでなく、一般家庭でも週３日は停電する悪条件が重なっており、関西電力では当時の太田垣社長は資本金の５倍の総工費を捻出し、黒四ダム建設を決め、１９５６年（昭和３１年）着工し、雪崩や破砕帯などの悪条件の中、１７１名の殉職者を出しながら１９６３年（昭和３８年）に完成したもので、その規模の大きさなどもあり、当時は日本中の耳目を集めた出来事だった。

　それが黒部ダム完成により、北アルプスの立山を中心とした一大観光ルートである立山黒部アルペンルートが開発され多くの観光客が訪れるようになったのである。

　「立山黒部アルペンルート」

　立山黒部アルペンルートは長野県扇沢からいろいろな乗り物を乗り継ぎ、黒部ダムからアルペンルートの中心部である室堂平まで行き、弥陀ヶ原を経由して長野県立山駅まで続くルートである。
　今回はその後日本一の落差がある称名の滝まで行くことにした。（写真は立山黒部アルペンルートの表紙）

　立山黒部アルペンルートは、標高3000m級の山々が連なる北アルプスを貫く世界でも有数の山岳観光ルートであり、長野県大町市「扇沢駅」から富山県立山町「立山駅」までの総延長37.2km、最高地点2450ｍを、乗り物を乗り継ぎながら巡る様になっている。

　最初に着くのは黒部ダム駅である。黒部ダムの貯水量は２億トン、高さ（堤高）１８６ｍで日本一の高さがある。堰堤にはレストハウスや、ダム建設の犠牲になった１７１名を弔う殉難者慰霊碑などがある。

　黒部ダムの堰堤を歩いて黒部湖駅に行く。ここから全線地下式の黒部ケーブルカーに乗り、黒部平駅に着く。
　ここは黒部湖駅より４００ｍ高い位置にあり、ちいさな園地になっている。

　　ここから立山が見えるが反対側には針の木岳や赤沢岳、遠く鹿島槍ヶ岳などの急峻な山々が見える。
　正面に見える立山連峰は新雪と草木の紅葉が近くの針葉樹林の緑と相まってきれいなグラデーションを見せている。

　ロープウエイの直下を見ると、曼荼羅模様の紅葉が続き、何時まで見ても見飽きない。
　黒部平駅から標高差５００ｍを立山ロープウェイで、大観峰駅に着く。

　大観峰からは黒部湖が良く見える。付近の山々の紅葉は素晴らしい。
　大観峰駅から立山トンネルトロリーバスで室堂駅に行く。立山トンネルは、立山の雄山の直下を貫くトンネルで、全長3.7ｋｍを１０分間で通り抜ける。

　室堂から見た立山は山頂部がガスに覆われいたが、やがてガスが取れてきてはっきり見えるようになり、みくりが池、地獄谷、みくりが池温泉などを見て回り、山肌にしがみつくように赤く見えるナナカマドや黄色い草紅葉、緑の這松などが混然一致となって山岳の冷気を感じさせる。

　午後になり、室堂から弥陀ヶ原に行く立山高原バスに乗る。
　立山の標高は２４５０ｍだが、弥陀ヶ原は１９３０ｍと約５００ｍほど低い位置にあり、東西４㎞、南北２㎞の溶岩台地である。

　弥陀ヶ原には湿原も多くあるので、木道が設置されており、その上を歩くようになっている。ここはまだ秋真っ盛りであり、どこを向いても絢爛たる秋の風情が感じられる。天気も良く素晴らしい景観を堪能できた。

夕方になり、弥陀ヶ原バス停から再び高原バスに乗り、美女平に３５分で到着する。美女平から立山ケーブルカーに乗り換えて立山駅に着いた。
　美女平の標高は９７７ｍであり、立山駅のある千寿ケ原の標高は４７５ｍでケーブルカーで５００ｍ下ったのである。弥陀ヶ原からは１５００ｍ、最高地点の室堂からは約２０００ｍ下ったのだ。

「称名滝」

　翌朝、立山駅のバス停から称名滝行のバスに乗る。途中「悪城（あくしろ）の壁という切り立った断崖が続く称名渓谷に沿って、称名滝バス停に着く。バス停から滝が間近に見られる瀧見台園地まで舗装された遊歩道を歩く。深山幽谷に分け入るのかと思ったが、そうではなかった。やがて滝見橋に着く。

　瀧見橋を過ぎると直ぐ上にある瀧見台園地に行き、ゆっくりと日本一の落差がある滝と近くに咲いている秋の草花を眺め、天候と紅葉にに恵まれた今回の旅を振り返った。

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(以下次号））

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